mommapapaの父ノ言ノ葉

言葉と暮らしと子育て雑記

舟を編む

 映画『舟を編む』を観ました。

印字された言葉が収益を産みにくい時代の、言葉に対し真摯でひたむきな物語に心打たれました。

私自身は言葉に対し、一般には説明能わざる、ある特別な思いを抱いています。

それは日本語の持つ「意味」と「音韻」に対する容易ならざる解釈、例えば宇宙の原始に近づくために漕ぎ出す謎解き舟のような、そんな特別な役割への想いをもって一つ一つの言葉が編み出す世界に対峙しています。

WEBを取り巻く現代の消費社会では、言葉は「伝達すべき意味」を伝えるための消費媒体として扱われることが大部分であるように感じていますが、言葉そのものが本来持つべき意味と音の響きの双方を大切にしながら、完全なる調和のとれた普遍的な美しさを持つ文章を編み出そうと常々挑戦しているつもりです。

何の根拠もない戯言に近い個人的な感覚ですが、言語学の領域にある日本語の母音が織りなす音の振動と、量子力学のような光や時の流れを司る微細世界の波動がいつか出会って結びつき、それが宇宙の法則を紡ぎだし、あるいはそれを司るような、一つの新たな研究世界が生まれるのではないかと予感しています。

言葉には言い尽くせない、日本語という言語に秘められた特別な何かに期待しながら、資本という幻想的で暴力的な現実が覆い尽くす乾いた世界を日々泳いでいるのです。

言葉に込めた日常への祈りを、この映画は改めて静かに思い起こしてくれたのです。